チョムリアップ スォ!(クメール語で『こんにちは』)
国旗の世界へようこそ!案内人のコッキリンです。
今日はカンボジアの国旗について見ていきたいと思います。
カンボジアへは2007年に旅行で母と訪れたことがあります。トップ画像はその時に撮った写真です!朝焼けがとても綺麗で、早起きした甲斐がありました!!
シルエットとして見えている建物は何かご存じですか?世界遺産にもなっていますよ。
カンボジアの国旗を見ていく上で大事になってくるので覚えていってくださいね。
Contents
<カンボジアの国旗 色やデザイン>
比率やデザイン
カンボジア国旗の縦横比率は16:25です。日本の国旗が2:3(16:24)なのでほぼ同じくらいの比率ですね。
色は上から青・赤・青の横三分割旗です。色の比率は1:2:1になっています。
中央には白でカンボジアを象徴する世界遺産のアンコール・ワットが配されています。
色の意味は?
カンボジアの国旗に使われている青・赤・白には何か意味があるのでしょうか?
「青」は”王室の権威”、または、”自由と協力”を表しています。現在でいうと王室はノロドム家になりますね。
「赤」は”国家”や、”人々の勇気”や”流された血”、あるいは、”国王に対する忠誠心”を表しているようです。
アンコールワットの「白」は”仏教徒”を表しています。 カンボジア国民の約90%が仏教徒なんですよ。
アンコールワットとは?
カンボジア国旗の中央に描かれている『アンコールワット』。
アンコールワットはユネスコの世界遺産にも登録されている有名な建物なので知っている方も多いと思います。
アンコールワットはカンボジアの北西部にあるシェムリアップ州にあり、12世紀にヒンドゥー教寺院として建てられました。16世紀後半には仏教寺院として改修され、現在も上座部仏教寺院になっているようです。
私、コッキリンも一度は行ってみたい場所でした。周りにも遺跡がたくさんあり、見所いっぱいです。
浅野忠信さん主演の『地雷を踏んだらサヨウナラ』でもアンコールワットを撮りたいと地雷がたくさん埋まっている中、命がけでアンコールワットを目指すカメラマンが描かれています。おすすめの映画です!!
<カンボジアの国旗 歴史や由来>
カンボジアの国旗はいつから使われているのでしょうか。
カンボジアの歴史と共に見ていきましょう。
クメール朝
9世紀の初め頃にクメール王朝が成立。クメール王朝はアンコール王朝と呼ばれることもあり、現在のカンボジアの元となった国です。
12~13世紀ころに最盛期を迎えます。アンコールワットが建設されたのがこの時期ですね。
クメール王朝時代の国旗は黄色に緑で縁取られた三角旗でした。
Blackcat – 投稿者自身による作品, CC0, リンクによる
16世紀ころポルトガルの商人や宣教師が西洋人として初めてカンボジアへ到来。
それに続き、スペイン人やオランダ人、17世紀半ばからフランス人が到来しました。
フランス保護国時代
1863年にフランスの保護国となったカンボジア。1887年にはフランス領インドシナの一部となりました。
フランスの保護下にあっても王国体制は続いていました。
保護国となった1863年から使われるようになった国旗がこちらです。
CC 表示-継承 3.0, リンクによる
青で囲まれた赤い旗で中央に白いアンコールワットが配されていますね。
赤と青のデザインが現在の国旗と違いますが、この時アンコールワットが国旗に取り入れられたんですね。
このデザインがフランスから独立する1948年まで使われていました。
が、1942~1945年を除きます。それは日本に統治されていた時代でした。
日本統治時代
カンボジアは第二次世界大戦中、日本に統治されていました。
その時代に使われていたのは塔を上から見た配置を図にしたデザインのものでした。
Lexicon (SVG file) – 投稿者自身による作品 based on publicly-available information, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
日本が第二次世界大戦の敗北すると、カンボジアはフランス保護国へと戻ります。
カンボジア王国の独立
1948年カンボジアはフランスから独立を果たします。
その際にデザインされたのが現在も使われている青・赤・青の横三分割旗です。
このまま現在の国旗になったかというと違うんです。
1970年にクメール共和国が成立するとこのように変わりました。
Based on Image:Flag of Cambodia.svg. Reference: Cambodian Flag History., パブリック・ドメイン, リンクによる
アンコールワットが中央ではなくカントン部に配されていますね。
その後も国旗は変わっていきました。
ポル・ポト政権
1976年ポル・ポト率いるカンプチア共産党がプノンペンを制圧し、民主カンプチアが成立。
赤が基調の旗に変わりました。中央にあるのはアンコールワットですが、これまで色が白だったのが黄色へ変わり、だいぶ印象が変わりましたね。
赤は共産主義のシンボルと言われており、中国の国旗も赤地ですね。
民主カンプチアは親中国で、共産社会を目指していたので、中国の国旗に似た配色になったのかもしれません。
パブリック・ドメイン, リンクによる
サムリン政権
その後ベトナム軍がヘン・サムリンを擁立しプノンペンを攻略。1979年にカンプチア人民共和国が樹立。この時も赤地に黄色のアンコールワットが配された国旗でした。デザインが少し変わって、アンコールワットの塔が五本へ増えていますね。
Zach Harden – Based from Cambodian Flag History, CC 表示-継承 2.5, リンクによる
1989年にベトナム軍が撤収し、カンボジア国と改称。国旗も変わりました。
Xiengyod – self-made, based on an image at Flags Of The World, パブリック・ドメイン, リンクによる
中央のアンコールワットは黄色のままですがデザインが変わりましたね。それに青が加わりました。赤と青の横二分割旗です。
ベトナム軍が撤収したことで、当時の首相フン・センの政権は弱体化し、反ベトナム3派による民主カンプチア連合政府との内戦が泥沼化します。
和平へ向けて
そんな内戦が続くカンボジアの和平に向け、1991年にカンボジア最高国民評議会(SNC)が発足し、1992年から国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)が平和維持活動を始めました。
その間の国旗は国連の旗に似た色で、カンボジアの国の形が中央に描かれていたものでした。
CC 表示-継承 3.0, リンクによる
1993年、国民議会総選挙が行われ、立憲君主制となり、現在のカンボジア王国が誕生。国旗も現在のものが制定されました。
<まとめ>
今日はカンボジアの国旗を見てきました。
カンボジアの国旗には国を象徴する世界遺産アンコールワットが描かれていますね。
アンコールワットが国旗に取り入れられるようになってから、デザインが何度も変わりましたが、アンコールワット自体はどの時代でも国旗に配されてきました。
カンボジアにとってアンコールワットはそれほど大事な存在だということですね。
またアンコールワットに行きたくなってきました。
いつかまた、きっと。
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