オイ!コッキリンです。
「オイ!」って英語でいうとHelloにあたるポルトガル語のあいさつなんです!
簡単で覚えやすいですが、日本人としてはなんだか失礼な気がして使いにくいですね・・・。
ブラジルといえば、リオのカーニバル、サンバ、サッカー!!のイメージでしょうか。陽気で明るい感じがします。
ブラジルの国旗は見ればすぐにブラジルだとわかるデザインだと思いますが、どんな意味が込められているか知っていますか?
今日はブラジルの国旗について見ていきましょう。
Contents
<ブラジルの国旗 色やデザイン>
国旗の比率、色とデザイン
ブラジルの国旗の縦横比率は7:10です。
日本の国旗は2:3なので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、ブラジル国旗を14:20とすると、日本国旗が14:21なので、日本国旗のほうがちょっぴり横に長いんですね。
色は緑地に黄色のひし形、ひし形の中には青の円が描かれています。
青い円の中には27個の白い星と、 緑で 「ORDEM E PROGRESSO」と書かれた白帯が記されています。
ブラジルの国旗は「金と緑の旗」という意味の「アウリヴェルジ (Auriverde) 」と呼ばています。
国旗の裏も表と同じデザインなので、裏から見ても文字や星の配置は反転しないとのことです。
凝ったデザインだなぁと思いますが、この色やデザインにはどんな意味があるのでしょう?
色とデザインが意味するものは?
色の意味は公式には伝えられていないようですが、緑はブラジルの森林を、黄色は金などの鉱産資源を、白は平和、青はブラジルの空を表していると言われているようです。
また、緑はブラジル皇帝ペドロ1世のブラガンザ家、黄色は皇妃マリア・レオポルディナのハプスブルグ家を象徴する色でもあります。
国旗中央の青い円は共和制が樹立された1889年11月15日朝8時30分のリオデジャネイロの空を表しているようです。
天球の外側から見た星の図なので、地上から見た星とは左右が反転しています。
南十字星などの九つの星座が描かれており、27個の星はブラジルの26州と1連邦直轄区(ブラジリア)を表しているようです。
びっくりしたのは、星座の星それぞれが決まったブラジルの州を表しているということです。
こいぬ座の1等星プロキオンはアマゾナス州を、おとめ座のスピカはパラー州をといったように、国旗の星一つ一つがどの州を表しているのか決まっているんですよ!
詳しくは記事の後半で紹介したいと思いますが、ほんと細かいところまで設定されているんですね。
ちなみに、州が増えれば国旗の星も増えるようです。
この点はアメリカ国旗に似ていますね。
アメリカ国旗の星はどの州を表すかまで決まっていませんが・・・・。
白帯「ORDEM E PROGRESSO」の意味は?
ブラジル国旗の中の白い帯は太陽の通り道である黄道を表し、その中に書かれている「ORDEM E PROGRESSO」はブラジル国家のモットーです。
この言葉はフランス人哲学者であるオーギュスト・コントの言葉「秩序と進歩」をポルトガル語にしたものです。
「秩序と進歩」はコントの哲学である実証主義の言葉として知られています。
ブラジルが共和国となったとき、実証主義を支持する人が共和国政府に多かったことがこの言葉を国旗に使った理由と考えられています。
ブラジル人による有名な言葉が書かれているのかと思っていましたが、違ったようですね。
ではこの国旗はいつから使われているのでしょうか。ブラジル国旗の歴史と共に見ていきましょう。
<ブラジルの国旗 歴史や由来>
ポルトガルによる植民地となったブラジル
ブラジルの先住民はトゥピ族やアラワク系の民族といわれています。
1500年にポルトガル人のカブラルが到達し、ポルトガルの植民地となりました。
ポルトガルがスペインと連合していた時代の旗は白地の中央に盾型の紋章を配したものでした。
Guilherme Paula – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
現在の国旗とはだいぶ違いますね。
その後1645年に旗のデザインが変更になり、白地に黄色い天球儀と赤い十字が左寄りに配された国旗になりました。
Tonyjeff, based on ancient national symbol. – XVII century, パブリック・ドメイン, リンクによる
ブラジル帝国の時代
国旗の色が緑と黄色がメインになったのはブラジル帝国として独立した1822年でした。
User:Tonyjeff, based on work of Jean-Baptiste Debret – XIX century, パブリック・ドメイン, リンクによる
緑地に黄色のひし形、その中には国章が配され、国章部分には当時の州の数を表す19個の星が描かれていました。
この時から、星の数で州を表していたようですね。
共和制へ 4日間だけの国旗?
1889年に共和制となり、国旗のデザインが変更になりました。
アメリカ合衆国の国旗をモデルに発案された国旗は、13本の緑と黄色の横しまで左上のカントン部に21個の白い星が配されたものでした。
User:Sitenl – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
一度はこの国旗に決まったものの、フォンセカ初代大統領があまりにもアメリカ国旗に似すぎているとして、制定されてからたった4日で現在の国旗に近いデザインへと変更になりました。
この頃は州が20州だったため、20州と連邦直轄区を表す21個の星が描かれています。
その後、州が増えるたびに国旗の星の数も増え、現在では27個の星が描かれており、1992年から使用されています。
<ブラジル国旗の星とブラジルの州>
どんな星座が描かれている?
ブラジル国旗に描かれているのはどんな星座なのか見てみましょう。
1 = こいぬ座のプロキオン
Wikipedia
2 = おおいぬ座。大きく描かれているのはシリウス
3 = りゅうこつ座のカノープス
4 = おとめ座のスピカ
5 = うみへび座
6 = 南十字星
7 = はちぶんぎ座σ星(南極星)
8 = みなみのさんかく座
9 = さそり座。大きく描かれているのはアンタレス
このように、9つの星座から27個の星が描かれているようです。
星が表している州とは?
それぞれどの州を表すかというと、
- アクレ州 – うみへび座γ星
- アラゴアス州 – さそり座θ星
- アマパー州 – おおいぬ座β星
- アマゾナス州 – こいぬ座 プロキオン
- バイーア州 – みなみじゅうじ座γ星
- セアラー州 – さそり座ε星
- エスピリト・サント州 – みなみじゅうじ座ε星
- ゴイアス州 – りゅうこつ座 カノープス
- マラニョン州 – さそり座β星
- マット・グロッソ州 – おおいぬ座 シリウス
- マット・グロッソ・ド・スーウ州 – うみへび座 アルファルド
- ミナス・ジェライス州 – みなみじゅうじ座δ星
- パラー州 – おとめ座 スピカ
- パライバ州 – さそり座κ星
- パラナ州 – みなみのさんかく座γ星
- ペルナンブコ州 – さそり座μ星
- ピアウイー州 – さそり座 アンタレス
- リオデジャネイロ州 – みなみじゅうじ座β星
- リオ・グランデ・ド・ノルテ州 – さそり座λ星
- リオ・グランデ・ド・スーウ州 – みなみのさんかく座α星
- ロンドニア州 – おおいぬ座γ星
- ロライマ州 – おおいぬ座δ星
- サンタ・カタリーナ州 – みなみのさんかく座β星
- サン・パウロ州 – みなみじゅうじ座α星
- セルジッペ州 – さそり座ι1星
- トカンティンス州 – おおいぬ座ε星
- ブラジリア連邦直轄区 – はちぶんぎ座σ星(南極星)
と、このように決まっているとのことです。
比較的大きめの州が大き目の1等星で表されている印象を受けました。
今後、また州が増えることがあれば星も増えるのでしょうね。
<まとめ>
今日はブラジルの国旗を取り上げましたが、なかなか奥が深くて面白いですね。
アメリカ国旗のように星の数は州の数を表し、さらに一つ一つの星がそれぞれ州を表していたんですね。
ORDEM E PROGRESSOの意味も分かりましたよ。「秩序と進歩」という実証主義の標語からブラジルのモットーとして使われている言葉でした。
今までよりもブラジルのことを知れた気がします。
次回はどこの国旗を取り上げようか・・・楽しみにしていてください。
アテ マイス!(では、また)